AURELIO 大本 陽介 100年の「美味しい」を、 ル・クルーゼと。 AURELIO 大本 陽介

Chef

大本 陽介

大本 陽介 AURELIO

1984年、山口県生まれ。大学進学を機に上京し、在学中に飲食業界でのアルバイトを経験。卒業後、下北沢のダイニングバーで店長を務めた後、イタリアンバール「クオーレ・フォルテ」に勤務。2014年に渡伊し、イタリア全土のワイナリーを巡りながら料理とワインの知識を深める。帰国後、2016年7月に東京・神泉で「AURELIO(アウレリオ)」をオープン。イタリアの郷土料理と自然派ワインを提供する。

Interview

シェフインタビュー

手から手へ、
想いを受け継いだ鍋

「これ、もう20年選手なんです」と大本陽介さんが言う長年使い込まれたル・クルーゼの鍋は、かつて面倒見のいい常連客から「ひとつ持っているといろいろ作れるよ」と勧められて譲り受けたもの。前の持ち主が10年以上、大本さんも店のオープンとともに9年使い続けている。「新しいものを次々に買うより、長く付き合っていけるものを選びたいんです。使い込むほどに、自分との時間が刻まれていく気がして」そんな鍋は、毎日のまかない作りに活躍してきた。「みんなでひとつの釜を囲むように食べてます。何を作るにも頼りになる万能な存在です」使い込まれた鍋が、今日もスタッフとの食卓をあたためる。

焦げ目は旨みの輪郭。
一皿にコントラストを生む

「シンプルな料理ほど、鍋の力が試されると思います」そう語る大本さんの料理は、イタリアンをベースに素材の味を引き出す料理が持ち味。「たとえば、縁が少し焦げたりするじゃないですか。でもそれって逆に“味が濃くておいしいな”って思えるんですよね。やわらかい部分とのコントラストも出て、一皿の中にメリハリが生まれる。それが好きなんです」ル・クルーゼは、そうした“違い”がちゃんと残るという。最小限の手数で仕上げるからこそ、道具の性能が味に直結する。

道具が変われば、伝統的なレシピにも新しい風が吹く

中世トスカーナで生まれた黒こしょう煮込み「ペポーゾ」。もともとは大工や職人たちが、仕事の合間に牛肉を鍋に放り込み、火に任せてコトコト煮ていたという、素朴な郷土料理だ。「当時この料理を食べていた人たちは、まさか現代の僕たちが、こんな鍋で作っているなんて思いもしなかったはず。変わらないレシピに、新しい道具。それがすごく素敵だと思って、“100年遺したいレシピ”に選びました」

工程は驚くほどシンプル。でも「熱の回りが早くて、旨味を逃がさない」からこそ、仕上がりに差が出る。通常ならもっと時間をかけて煮込むこの料理も、ル・クルーゼならおよそ3時間。たっぷり煮込む満足感はそのままに、鍋の力でぐっと手応えのあるおいしさに。

第1弾レシピ

ペポーゾ

トスカーナの郷土料理「ペポーゾ」は、牛肉を赤ワインと黒こしょうで煮込む、力強くて滋味深い一皿。ワインとこしょうの鮮烈な香りが味の芯を作る。

使用製品

材料(3~4人分)

  • 牛すね肉…500g
  • 塩…7.5g(肉の重量の1.5%)
  • 玉ねぎ…1/2個
  • にんじん…1/2本
  • セロリ…1/2本
  • にんにく…1片
  • 黒こしょう(ホール)…5g
  • 赤ワイン…適量
  • トマトペースト…小さじ1
  • オリーブオイル…大さじ1
  • 水…適量

作り方

下準備

  • 牛すね肉に塩をまぶし、冷蔵庫でひと晩おく。
  • 玉ねぎ、にんじん、セロリは1cm角に切る。
  • にんにくは潰す。
  1. 鍋にオリーブオイルを中火で熱し、玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにくと塩ひとつまみ(分量外)を加えて、15分ほど炒める。
  2. フライパンにオリーブオイル(分量外:小さじ1)を中火でよく熱し、牛すね肉の表面に焼き色をつけ旨みを閉じ込める。
  3. 1.の鍋に2.の牛すね肉、黒こしょう、トマトペーストを入れ、赤ワインを肉が半分浸る程度まで注ぐ。フタをして中火にかけ、ふつふつと煮立ったら肉がかぶるくらいまで水を足す。
  4. 弱火にし、フタをして3時間ほど肉がやわらかくなるまで煮込む。

第2弾レシピ

バターライス

煮込み料理の付け合わせとして、北イタリアで親しまれているバターライス。ふんわりと香るオレガノと、仕上げのバターのコクがアクセント。

火の回りの良さを活かして、短時間でもきちんとおいしく

「北イタリアでは、よく煮込み料理にライスを添えて食べているんです」熱伝導が高く、短時間で炊けるル・クルーゼを使えば、そんな一皿も気負わず作れるという。「白ワインを少し入れると、香りが立ってより本格的に。バターはあと入れがコツ。香りが立ちやすく、焦げにくくなるんです」シンプルな白米も、ひと工夫で、煮込みと合わせても引けを取らない主役級の一皿が完成する。「バターライスは、昔から食卓にあって、料理を引き立てながらもしっかりおいしい。ル・クルーゼのようにずっと変わらず愛されてきたものだから、“100年レシピ”に選びました」

使用製品

材料(2合分)

  • 玉ねぎ…1/4個
  • オリーブオイル…大さじ1
  • 米…2合
  • 白ワイン…30ml
  • 熱湯…360ml
  • オレガノ(乾燥)…少々
  • 有塩バター…20g
  • 塩…少々

作り方

下準備

  • 玉ねぎはみじん切りにする。
  1. 鍋にオリーブオイルを中火で熱し、玉ねぎがしんなりするまで炒める。
  2. 米を加え、10分ほど中火で加熱する。米に透明感が出てきたら白ワインを加え、3分ほど混ぜながら加熱してアルコールを飛ばす。熱湯とオレガノを加えてひと混ぜする。
  3. 沸騰したらフタをして弱火にし、11分ほど加熱する。
  4. 火を止めて11分ほど蒸らし、バターを加えて混ぜる。味をみて塩で調える。
1925
A CENTURY OF LE CREUSET