DRUM
岡山 聡一郎
Chef
Interview
シェフインタビュー
見た目だけじゃない。
手にして気づく本当の力
料理の道に入った18歳の頃、修業先のフレンチレストランで出合った〈ココット・オーバル〉と〈ココット・ロンド〉。初めて目にしたル・クルーゼは、「ビジュアルがかっこよくて、いつかお店に置きたいと思ったんです」と岡山聡一郎さん。興味を引かれ、実際に使ってみて、その便利さは忙しい厨房でこそ強く実感した。「まかないを作るときに野菜や肉など仕込みの端材を入れておくと、ランチ前にはちょうど出来上がっている。放っておけるってすごく助かるんです」仕込みの間も火に任せておける安心感が、仕事のリズムを整えてくれる。
日々の現場で実感する
ル・クルーゼの頼もしさ
「火の入りが早く、保温性も高い。だから、ル・クルーゼはおいしい料理を作りたいときに本当に頼りになります」と話す岡山さん。 長時間かかる料理も、ぐんと短い時間で完成する。「8時間煮込むような料理も、圧倒的に時短。水分もたくさん加えなくてもよくて、素材だけで味が決まるんです」まかないの炊飯にもよく使うそうで、「びっくりするほどおいしく炊けるんですよ」と語る。煮込みから炊飯まで、ひとつで何役もこなす。忙しい日常にこそ手元に置きたい、心強い一台だ。
伝統を守るという姿勢こそが、100年先に遺るレシピを育てる礎になる
「100年遺したいレシピ」というテーマに向き合うなかで、岡山さんが改めて考えたのは、料理人として“伝える”ことの意味だった。「新しい料理を生み出すのも大切ですが、僕たちがやらなきゃいけないのは、“あるべき伝統を伝えていくこと”」フランス料理を学び、今なおクラシックに向き合う立場から、その重要性を感じているという。今回選んだ「ガルビュール」も、南西フランスに古くから伝わる伝統的な郷土料理。「料理は時代とともに味やスタイルが変わるもの。でも、それが“良い変化”なのか、“本質のすり替え”なのかは、常に問われるべきだと思うんです」
第1弾レシピ
ガルビュール
野菜や豆をじっくり煮込んだフランス南西部の田舎風スープ。家庭では残り野菜を炒めて作る“お袋の味”。具材は、野菜も肉もお好みのものでOK。肉を添えると、ごちそう感がぐっと増す。さらに、旨みが凝縮したスープで仕上げる「味噌煮込みうどん」もぜひ。
使用製品
材料 (4〜5人分)
- パプリカ…1個
- ズッキーニ…1本
- なす…2本
- 玉ねぎ…1個
- にんじん…1本
- いんげん…8〜10本
- しいたけ…4枚
- カタローニャ(チコリーの一種)…1/2株*1
- 菊芋…2個*1
- にんにく…2片
- ブロックベーコン…50g
- ラード…大さじ1*2
- 白いんげん豆(水煮)…150g
- ブイヨン…1000ml*3
- タイム…ひとつまみ*4
- 塩…適量
〈鴨肉のコンフィ〉
- 骨付きの鴨肉…1本
- 塩…ひとつまみ
- にんにく…1片
- タイムやローズマリーなどのハーブ…適量
〈味噌煮込みうどん〉
- さぬきうどん(ゆで)…2玉
- 八丁味噌…大さじ2〜3(好みで加減)
- 油揚げ…1枚
- しいたけ…2枚
- 長ねぎ…1/2本
- かまぼこ…4枚
作り方
下準備
- パプリカは乱切りにする。
- ズッキーニとなすは1cm幅の半月切りにする。
- 玉ねぎとにんじんは1cm角に切る。
- いんげんは3cm幅に切る。
- しいたけは軸を落として薄切りにする。
- カタローニャは3cm幅のざく切りにする。
- 菊芋は皮を剥いて一口大に切る。
- にんにくは潰して粗みじん切りにする。
- ベーコンは幅、厚さ1cmほどの拍子木切りにする。
-
骨付きの鴨肉に塩、潰したにんにく、タイム、ローズマリーをまぶして冷蔵庫で一晩おいてマリネする。鍋にラード(分量外:鴨肉全体が浸る程度)をたっぷりと注ぎ、弱火で熱して70〜80℃を保つ。熱した油に鴨肉を入れ、ごく弱火で6時間ほど加熱してじっくりと火を通す。
※鴨肉が手に入りにくい場合は、鶏もも肉のソテーでも代用できる。ソテーにする場合は、フライパンに油(分量外)入れ 中火で熱し、鶏肉の皮を下にして並べる。塩(分量外)を振り、皮がパリッとするまで焼く。裏返して3〜5分ほど火を通す。
- 鍋にラード、にんにくを入れて弱火で加熱し、香りが立ったらベーコンを加えて中火で焼き色を付ける。
- パプリカ、ズッキーニ、なす、玉ねぎ、にんじん、いんげん、しいたけ、カタローニャ、菊芋を加えてさっと混ぜ、油をなじませて塩を振る。中弱火にしてフタをし、野菜がしんなりするまで10分ほど蒸し煮にする。
- 白いんげん豆、ブイヨン、タイムを加える。軽く混ぜて再びフタをし、玉ねぎが透き通り、野菜が好みのやわらかさになるまで弱火で煮込む。
- 火を止めてタイムを取り除き、塩で味を調える。
- 鴨のコンフィを電子レンジ(600W)で3分ほど加熱して温め、フライパンに油(分量外)を入れ中火で熱して、皮面をパリッと焼く。
- 4.を器に盛り、鴨のコンフィをのせる。
〈味噌煮込みうどん〉
下準備
- 油揚げは短冊切りにする。
- しいたけは薄切りにする。
- 長ねぎは斜め切りにする。
- かまぼこは1cm幅に切る。
- 鍋に残ったガルビュールのスープを中火で温め、八丁味噌を溶き入れる。
- スープが沸騰したら、油揚げ、しいたけ、長ねぎ、かまぼこを加える。
- 再び沸いたらアクを取り、弱火にしてうどんを加え、麺が温まるまで煮る。
第2弾レシピ
ラタトゥイユ
料理教室でも好評だったという定番の副菜。野菜は小さくしすぎず、それぞれの食感が残るように仕上げるのが、おいしさの秘訣。
クラシックへの敬意が滲む、受け継いだレシピ
「料理人は、料理を通して記憶や文化をつないでいく存在だと、修業時代に教わりました」そう語る岡山さんが提案するのは、南仏の煮込み料理・ラタトゥイユ。「夏野菜はもちろん、ごぼうやれんこんを入れてもおいしい。ざっくり、あまり丁寧に作らないほうが旨みが出るんです」受け継いだ味を、自分なりに守りながら、未来へとつないでいく。そんな料理との向き合い方こそが、“100年先に遺す”ということなのかもしれない。
使用製品
材料(4人分)
- 玉ねぎ…1個
- パプリカ(赤・黄)…各1個
- ズッキーニ…1本
- なす…2本
- トマト…2個
- にんじん…1本
- セロリ…1/2本
- にんにく…1片
- トマトペースト…大さじ1
- タイム…ひとつまみ*1
- オリーブオイル…大さじ3
- 塩…適量
作り方
下準備
- 玉ねぎ、パプリカは3cmほどの食べやすい大きさに切る。
- ズッキーニ、なすは1cm幅の半月切りにする。
- トマトは縦に4等分に切り、くし形切りにする。
- にんじんは2cm幅の乱切りにする。
- セロリは2cm幅の斜め切りにする。
- にんにくはみじん切りにする。
- 鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて中火で加熱し、香りが立ったら玉ねぎ、にんじん、セロリを加え、玉ねぎが透明になるまで炒める。
- パプリカを加えて、塩(分量外)をひとつまみ入れ、野菜の表面にしっかり焼き色が付くように炒める。
- フライパンにオリーブオイル(分量外)を入れ中火で熱し、ズッキーニとなすを焼き色が付くまで炒める。
- 2.の鍋にトマトペーストを加え、中火で1~2分ほど酸味が飛ぶまで炒める。
- 4.に3.の野菜とトマトを加えて軽く混ぜ、塩(分量外)をひとつまみ入れ、タイムをのせる。フタをして ごく弱火で20〜30分煮込む。