beet eat
竹林 久仁子
Chef
Interview
シェフインタビュー
道具ひとつで、料理への
向き合い方が変わる
竹林久仁子さんが料理に興味を持ち始めた20代。ル・クルーゼは「いつか使ってみたい」という憧れの道具だった。最初に選んだのはオレンジの鍋。「台所にあるだけで、“料理が完成した”って思えたんですよね」と振り返る。火にかけるだけでなく、オーブン調理にも使えると知ってからは、少しずつ手の込んだ料理にも挑戦するように。「使うたびに、もっと丁寧に、もっとおいしく」ーー。そんな思いから、いつしか食材の選び方や調理のプロセスにも、自分なりのこだわりが生まれていった。「ル・クルーゼは、素材にきちんと向き合えば、腕に自信がなくてもおいしく仕上げてくれるんです」。だからこそ、いい道具を選ぶことの意味を、もっと多くの人に知ってもらいたいと語る。
使い込むほどに実感する、
ル・クルーゼの力強さ
実際に使ってみて感じたのは、ル・クルーゼならではの底力。カレーを専門とする竹林さんにとっても、その熱の入り方の違いは一目瞭然だった。「食材への熱の入り方がまるで違うんです。同じ時間かけて別の道具で作っても味が段違いで、“あ、ちゃんとおいしくなってる”って実感できる」フタの重さも、旨みを閉じ込めておいしくするための設計。「重みはあるけれど、それがおいしさにしっかりとつながっていると感じます」カレーはもちろん、味噌汁や炊飯まで。自然と手に取る機会が増えていった。
100年遺したいのは、“お母さんが作る”本格カレー
「100年遺したいレシピ」として竹林さんが選んだのは、家庭で再現できるスパイスカレー。豚の塊肉を使い、子どもでも食べやすいやさしい味に仕立てた。ル・クルーゼの特長を活かし「この鍋で塊肉がどう変わるかを楽しんでほしいです。ルウを使わず、スパイスから丁寧に。けれど、お母さんが日常で作れることを大切にしたかった」と話す。ポイントは、玉ねぎをしっかり炒めること。「水分を飛ばすような感覚であめ色になるまで。旨みとコク、甘みの軸になるから、ここだけはちょっと頑張ってほしいんです」あとは鍋に任せて、やわらかく煮込めば十分。
第1弾レシピ
ペッパーポークカレー
やわらかな豚肉に、香り立つ本格スパイス。辛さ控えめで、子どもも食べやすいまろやかな風味に仕上げた“100年レシピ”のカレー。口の中でほどける肉は、ル・クルーゼで煮込んだからこそのやわらかさ。
使用製品
材料
- 豚肩ロース肉…400g
- 玉ねぎ…2個
- トマト…1個
- にんにく…1片
- しょうが…1片
- 自然塩…小さじ1/2
- 粗びき黒こしょう…小さじ1/2
- クミンシード…小さじ1/2
- こめ油…大さじ3
- ココナッツミルク…200ml
- 水…200ml
- パクチー…30g
(A)
- シナモンスティック…5cm
- カルダモン…5粒
- フェヌグリークシード…小さじ1/4(お好みで)
- スターアニス…2個
- レモングラス…2本
- クローブ…10粒
(B)
- パプリカパウダー…小さじ2
- ターメリック…小さじ1/2
- レッドチリパウダー…小さじ1/3(お好みで)
- クミンパウダー…小さじ1
- コリアンダーパウダー…小さじ3
(C)
- ガラムマサラ…小さじ2
- 自然塩…小さじ1/2
- 洗双糖…小さじ1/2*1
作り方
下準備
- 豚肩ロース肉は、大きめの一口大に切り、すりおろしたにんにく、しょうが、自然塩、粗挽き黒こしょうでマリネする。
- 玉ねぎは、繊維に沿ってスライスする。
- トマトは1cm角のさいの目切りにカットする。
- パクチーは1cm幅に刻んで、トッピング用にとっておく。
- レモングラスは軽くたたく。
- 鍋にこめ油と(A)を入れて弱火で加熱する。スパイスからふつふつと気泡が出てきたらクミンシードを加え、香りが立つまで焦がさないように手早く炒める。
- 玉ねぎを加え、中火で炒める。あめ色になったらトマトを加え、水分が飛んでとろりとするまで10分ほど炒める。
- 油が浮いてきたら弱火にし、(B)を加える。香りが立つまで焦がさないように炒める。
- マリネしておいた豚肉を加え、漬け込んだにんにくとしょうが の香りがやわらかくなるまで弱火で炒める。
- 肉に7〜8割ほど火が通ったら、ココナッツミルクと水を加えて中火で加熱する。沸騰したら具材がゆれる程度の弱火にし、30分ほどフタをして煮込む。
- 油が再び浮いてきたら、(C)を加えて味を調える。
- 弱火でひと煮立ちさせて火を止める。器に盛り、パクチーを飾る。
第2弾レシピ
あさりとグリーンピースのビリヤニ
インド生まれの炊き込みごはんを、日本の食材と感覚でアレンジした竹林さん流ビリヤニ。あさりの出汁に、炒め玉ねぎとスパイスの香りが重なるグレイビーソースが、味に豊かな余韻を添える。
蒸して、炊いて、香りを閉じ込める鍋
ル・クルーゼの鋳物ホーロー鍋は、ビリヤニのような蒸し料理でもその力を発揮する。「“これが得意”というより、“何でも得意”って言いたくなる鍋。最初は高価に感じるかもしれないけど、そのぶん自然と丁寧に使いたくなるんですよ」と竹林さん。あさりの旨みを含んだグレイビーソースに、炊きたてのバスマティライス。層を重ねてじっくり蒸し上げることで、スパイスの香りがふわりと広がる、出汁の効いた香り高い一皿が完成する。
使用製品
材料(4人分)
- あさり…500g
- グリーンピース…150g*1
- 白ワイン…1カップ
- こめ油…大さじ3*2
- 玉ねぎ…2個
- トマト…2個
- にんにく…1片
- しょうが…1片
- 青唐辛子…1〜2本(お好みで)
- ココナッツミルク…200ml
- パクチー…30g*3
- スペアミント…30g*3
- クミンシード…小さじ1/2
- シナモンスティック…5cm
- カレーリーフ…10枚
- バスマティライス…4合
- レモン…1個
- 赤玉ねぎ…1個
フライドオニオン
- 玉ねぎ…2個
- こめ油…2カップ
ライス用スパイス
- シナモンスティック…5cm
- カルダモン…3粒
- クローブ…5粒
- ベイリーフ…1枚
(A)
- クミンパウダー…小さじ1/2
- ブラウンマスタードパウダー…小さじ1/2
- フェヌグリークパウダー…小さじ1/2(お好みで)
- フェンネルパウダー…小さじ1/2
- カロンジパウダー…小さじ1/2(お好みで)
(B)
- ガラムマサラ…小さじ1
- ターメリック…小さじ1/3
- ブラックペッパー…小さじ1/2
- 自然塩…小さじ1/2〜(お好みで)
作り方
下準備
- バスマティライスは洗って、たっぷりの水に30分〜1時間浸水させる。
- グリーンピースはさやから出して茹でる。
- トマトは1cm角のさいの目切りにする。
- にんにく、しょうがはすりおろす。
- 青唐辛子はみじん切りにする、パクチーは1cm幅に刻む。スペアミントは指でちぎる。
- (A)を空炒りし、グラインダーで粉砕する。
- レモンは、6等分のくし切りにカットする。
- 赤玉ねぎは、スライサーで薄い輪切りにして氷水にさらす。
- フライドオニオン用の玉ねぎは、繊維に沿って薄くスライスする。
- あさりは砂抜きをする。
- フライパンにこめ油(分量外:大さじ1)とあさりを入れ、中火で3分ほど軽く炒め、白ワインを加える。フタをして弱火にかけ、殻が開いたら火を止める。あさりと煮汁に分ける。
- 鍋にフライドオニオン用の油と玉ねぎを入れ、中火で加熱する。100℃まで上がってパチパチと音がしてきたら、空気に触れさせるように混ぜながら炒め揚げにする。玉ねぎの縁がきつね色になりはじめたら、すばやく火を止める。重ならないようにキッチンペーパーを敷いたバットに素早く広げ、冷ます。
- 2.のこめ油のうち大さじ3を鍋に移し、シナモンを入れて中火で加熱する。ふつふつと気泡が出てきたらクミンシードを加え、香りが立ったらカレーリーフを加える。
※クミンシードとカレーリーフは焦げやすいため、手早く炒める。 - 3.に玉ねぎを加えてしんなりするまで炒める。にんにくとしょうがを加え、中火で10~15分ほどかけてあめ色になるまで炒める。さらにトマトを加え、水分が飛ぶまで10分ほど炒める。
- 4.に(A)を加え、しっかりと炒め合わせる。スパイスと油がなじんだら、青唐辛子とグリーンピースを加え、中弱火で3分ほど焦がさないように炒める。あさりの煮汁とココナッツミルクを加え、中火で煮詰める。
- 別の鍋にたっぷりの湯を沸かし、ライス用スパイスを加える。沸騰したら水気を切ったバスマティライスを一気に加え、軽くかき混ぜながら3〜5分茹でる。中心に少し芯が残る程度でざるに上げる。
- 5.の水分が軽く飛び、とろりとしてきたら火を止める。6.のライスを上にのせ、(B)、パクチー、ミント、あさり、フライドオニオンの半量を加える。フタをして30分ほどごく弱火にかける。
- 全体をさっくりと混ぜて塩で味を調える。再びフタをして15分ほどごく弱火にかける。
- 米が立ち上がったら火を止める。器に盛り、残りのフライドオニオン、ミント、パクチー、赤玉ねぎ、レモンを飾る。