デジカメで料理写真をもっとキレイに撮るには?


デジカメで料理写真をもっとキレイに撮るには?
上手に作れた自信のひと皿、せっかくならよりおいしそうな写真で残したいもの。

でもいつも今イチなのが悩み…という料理フォトビギナーの方に贈る、撮影テクニック講座。

難しい用語はいっさいなし、カメラもいつものコンパクトデジタルカメラでOK。
思わずブログにアップしたくなる料理写真の撮り方のコツを、プロのフォトグラファーが4回に分けて伝授します。

基本の3ポイント

 

まずは、料理をひと皿だけ撮るときの、基本の「き」をチェックしましょう。

レンズの選択と明るさ、背景。

この3つのポイントを押さえるだけで、ぐんと見栄えがよくなります。3つの点に気をつけて、具材の乗ったグリーンサラダを撮ってみました。

 

 

全体が明るく、おいしそうな雰囲気。ピントがきちんと合っていて、背景も自然です。

こんなふうに撮るには…

 

Point1 レンズをズームにする
 

コンパクトデジカメはたいてい、スイッチを入れてそのままの状態だと「広角」つまり広い範囲が写るようになっています。

風景などを撮るにはいいのですが、そのまま料理を撮ると、お皿がいびつになって見た目と違う、不自然な写真になりがちです。

下は、通常のレンズのまま寄って撮った状態。

 

上の写真と比べるとテーブルクロスのストライプやお皿の輪郭が、不自然にゆがんでいることがわかります。
 

一見ふつうに見えますが、遠近感がありすぎて落ち着かない。料理のよさも伝わりません。
このゆがみを防ぐコツは、レンズをズーム(望遠)にすること。料理には寄らず、お皿から30cm以上離れたところでカメラを構えましょう。
望遠で起きやすい手ぶれは、テーブルや椅子の背などに肘を付き、体を固定させることで防ぎます。

 

 

肘など、体の一部をテーブルや椅子に密着させて固定します。

シャッターを優しく押すのも、上手に撮るコツです。

 

Point2 明るい場所で撮る
 

暗いとおいしそうに写らないうえ、Point1とも関連しますが、手ぶれも起こしやすくなります。
ですが、暗いからとフラッシュを使うのは禁物。光が強すぎて、ぺったりとした平面的な写真になってしまいます。料理写真を撮るベストの場所は、直射日光の当たらない明るい窓辺。日が差し込む時は日陰に置けばOKです。また、スケッチブックなどがあれば、光を反射させる「レフ板」にするのもおすすめ。

 

写真のように、料理に向かって面を立てて使います。

 

 

窓からの光を受けて、それが料理に当たる位置に。

白いまな板などでも代用できます。

 

光を反射させることで窓の反対側も明るくなり、さらにおいしそうに撮ることができます。

 

 

Point3 背景はすっきりと
 

料理を単品(ひと皿)で撮る時は、できるだけ皿のまわりをすっきりとさせましょう。よけいなものが入り込んでいると料理そのものに目が行かず、雑然とした雰囲気になってしまいます。

とくに食事のテーブルで撮るときは、あれこれと写りこみがちなので注意したいもの。

 

テーブルに置いたそのままの状態。撮る前に少しだけ周囲の物をよけると、印象がだいぶ違います。
 

何品か料理があるときも同じです。メインとなる一品に集中して、できるだけ他のものを整理すると、インパクトのある写真になります。

 

 

 

同じ物をいくつか並べて撮るときも、基本的なテクニックは変わりません。

ズーム撮影することで、並んだ時の器の大きさが自然です。

お料理映えのするル・クルーゼの鮮やかなストーンウェアも、
このようにレフ板を使って光の量を増やすことで、より美しく撮ることができます。

 


【撮影&レクチャー】

柳原久子さん

フォトグラファー。女性誌や書籍、カタログ、ウェブ広告などの撮影で活躍。料理からファッション、ポートレイト撮影まで幅広く手がける。
http://water-fish.co.jp/


※次回をご期待ください。

Lesson 2 鍋料理など大きな一品を写すコツ

Lesson 3 夜の室内でおいしそうに撮るには

Lesson 4 スマートフォン派におすすめのワザ